
この国の政治に一本、精神的主柱を立てたい。2009年11月12日 12:32 事業仕分けという人民裁判(抜粋)
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51310943.html
まず問題なのは、仕分けの対象になったのは概算要求に出ている約3000の国の事業のうち15%足らずの447事業にすぎないということだ。残りの85%は仕分けの対象にならないので、勝負はこの段階でついている。これを選んだのは、実質的には財務省の主計局である。予算書というのは細かい数字の並ぶ膨大な書類で、素人が読んでもわからない。
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それに、わずか11日間でやるものだから、1事業の査定にかける時間は、2億円の健康増進対策費も9兆8000億円の診療報酬も一律に1時間。そもそも査定対象として切り出した段階で財務省がつぶすつもりだから、初めに結論ありきでインターネットまで動員して官僚を「抵抗勢力」として血祭りに上げる儀式だ。おまけに仕分けの結果には法的拘束力がなく、財務省の査定の参考資料になるだけだから、政治主導どころか国会議員が主計官の下請けをやっているわけだ。
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要するに、この事業仕分けは、脚本・演出は財務省で「民主党は仕事してますよ」と国民にアピールする茶番劇に過ぎない。初日の作業では約500億円を削減できたそうだが、この調子で11日間やってもたかだか数千億円。95兆円以上の概算要求を92兆円に削減するという目標には遠く及ばない。問題はこんな枝葉ではなく、子ども手当2兆3000億円や農業所得補償6000億円などの「幹」を落とすしかないのだ。
『科学』傷だらけ iPS細胞生んだ事業や科学未来館(2009年11月14日 東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009111402000066.html
「国が掲げる科学技術立国が揺らぎかねない」。十三日の行政刷新会議の事業仕分けで、科学技術関連の事業が続々とカットの判定を受けた。「不要不急の事業」を削ることが仕分けの目的とはいえ、将来、日本の科学技術研究を担う若手にも余波が及ぶ。「頭脳流出に拍車がかかる」。関係者に危機感が広がった。
「科学技術への理解増進を否定するのでしょうか」。日本科学未来館(東京・青海)の館長を務める元宇宙飛行士の毛利衛さんが口調を強めた。
同館も仕分け対象になり、毛利さん自ら仕分け人と対峙(たいじ)した。だが、判定は「予算削減」。毛利さんは、組織改革の必要性などを主張できたことに「プラスに考えていきたい」などと語った。
ほかに審査を受けたのは、次世代スーパーコンピューター(スパコン)、和歌山毒カレー事件で使用されたヒ素の科学鑑定に威力を発揮した大型放射光施設「スプリング8」(兵庫県)、科学掘削船「ちきゅう」など。
仕分け人は「経費削減の余地がある」など次々と厳しく指摘。「無傷」な事業はなく、いずれも廃止や予算への計上見送りや削減が求められた。
「こちらから事業の意義などを話させてもらえるのかと思ったが遮られてしまった」と話すのは、独立行政法人・科学技術振興機構の北沢宏一理事長。
先端研究に助成する競争的資金事業は同機構や文部科学省などが行っているが、仕分け人は「重複しており、総予算が膨らんでいる」と判断。一元化も含めて縮小することを求めた。
北沢理事長は、一時間という審査時間の短さを挙げ、「この事業資金による研究で生まれた人工多能性幹細胞(iPS細胞)などの成果をアピールできなかった」と残念がった。
また、世界トップレベルの国際研究拠点をつくる事業も、拠点を増やすために予算増を求めていたが、「成果を見極めたい」と予算減になった。
拠点の一つ、東京大学の数物連携宇宙研究機構は、米国から日本に呼び戻した世界的な物理学者がトップを務める。文科省の担当者は「著名な賞の受賞者が出るなど、ようやく軌道に乗ってきたところ。予算が減れば、トップの研究者が、米国に帰ってしまうかもしれない」と心配した。
◆『優秀な若手流出する』 奨励金『削減』
「納得がいかない。当事者なのに意見も言えないのか…」。若手研究者育成のための「特別研究員事業」。十三日の行政刷新会議の事業仕分けで「削減」の評決を受け、傍聴に訪れた東京都内の国立大大学院二年の男性は悔しそうに話した。
トップクラスの若手研究者に対する奨励金事業で、博士課程の学生や博士課程を修了したポストドクターに月二十万〜四十五万円が支給される。
男性は今年、合格率数%の難関を通過。十月に内定通知を受け、家族や友人と喜んだばかりだ。事業仕分けの対象となったのを知り、「いても立ってもいられなくて傍聴に来た」という。
地球環境をテーマに、休日を含め毎日十二時間以上、研究漬けの毎日。「今は奨学金を借りているけど、来年三月で切れる」と話し、月二十万円の給付に期待していた。
男性は「ポストドクターが多すぎる問題ばかりが議論されていたが、その問題と研究者支援は別次元の話。制度が削減されたら、学者になれるのは金持ちだけ。国を恨んで海外に行く優秀な人材が続出するだろう」と事業仕分けの議論を批判した。
「事業仕分け」笑う財団(2009年11月16日 AERA)
前代未聞の試みに、国民が注目した。
事業仕分けは、民主党が掲げたスローガン、「脱官僚」「無駄の削減」と直結する。
「勧善懲悪」ぶりを物見遊山に眺める一方で、「これはパフォーマンスか」と不安も募る。
裁きを受ける側は、着々と逃げの一手を打っている。
会場は公開され、立ち見だけでなく、床に座って傍聴する人も出た。議論の様子はインターネットでライブ中継された。
前代未聞の「イベント」会場から出てきた仙谷由人行政刷新担当相は、こう言った。
「政治文化の革命的なことが今、起こりつつある」
しかし、官僚の一人はこう漏らした。
「まるで東京裁判だね」
議論を戦わせている人はもちろん、聴衆たちの耳には、同時通訳のレシーバーではなく、会場のマイクの音を拾うレシーバーがかけられている。約60年前、同じ市ケ谷で、第2次世界大戦の戦争主導者の責任を問う極東国際軍事裁判が開かれていた。あの東京裁判と重なって見えたのだという。
民主党議員と「仕分け人」が裁判官とすれば、官僚たちは「A級戦犯」だ。
アニメより「勧善懲悪」
11月11日に東京・市ケ谷で始まった政府・行政刷新会議の「事業仕分け」。会場となった体育館のあちらこちらで、こんな光景が繰り返された。
「勝手なことを言うな」
「地方にとってみれば大きなお世話だ」
「民間にまかせたらいい」
怒号に似た声がスピーカーから次々に聞こえてくる。四角形に並べられた机のむこう側で、官僚たちは黙りこくっている。
事業仕分けは、来年度予算の概算要求の中からピックアップされた447事業について、無駄の削減ができないかを検討する会議だ。民主党議員と民間識者でつくる約80人の「仕分け人」が、担当省庁の説明を聞き、その必要性を尋ねる。
事業の必要性を詰問する民主党議員と仕分け人、質問にしどろもどろで答える官僚たち。議論の最後に「廃止」「見直し」「削減」などの「判決」が下される。体育館で描き出される「勧善懲悪」の構図は、いまどき、子どものアニメよりもわかりやすい。
法的根拠ない「判決」
このわかりやすさが注目を集めるのだろう。だから、官僚たちの不満が大きいのはもちろんとして、存在感を見せつけられる「晴れ舞台」の裁判官になり損ねた民主党議員も不満をぶつける。
11日、東京・永田町の議員会館に民主党議員約10人が集まった。その会合で、ある女性議員は大声でこう言った。
「政府に入らない議員が300人もいるのに、わざわざ呼んだ民間人だけで議論をするのはおかしい。事業仕分けをするべきなのは、選挙で選ばれた私たちではないのか」
この議員が言う通り、予算をチェックするのはそもそも、議員の役割だ。現状では、「仕分け人」は民間人も含まれていて、法的な権限はない。だから、「廃止」などの「判決」にも法的な正当性はない。
メディアでは削減額が報じられているが、この「判決」は、行政刷新会議で議論され、財務省の査定に反映されるもので、どこまで実効性があるのかは不透明なものなのだ。
シンクタンクの代表として事業仕分けの手法を提案し、刷新会議に招かれた加藤秀樹事務局長も、9日の記者会見でこう話した。
「政治的判断をするのは総理。事業仕分けの判断がひっくり返ることもあり得る」
とはいえ、税金の無駄遣いが減らされるのは歓迎すべきこと。本誌は、誌面で再三報じてきた「あの調査」に注目した。
別の事業で2億円
都市部の路面の下に発生する空洞を見つけ、陥没を未然に防ぐ「路面下空洞調査」。国土交通省は昨年度約5億円をかけて、OBが天下る財団法人「道路保全技術センター」に、この事業を発注していた。
道保センターにはもともと、調査をする技術がない。なのに、国交省は、道保センターに発注を続けた。税金を使ったうえ、本来見つけられるはずだった空洞を見つけられないまま、国民を危険にさらし続けていることになる。
本誌が報じて問題が表面化した後、道保センターは事業から撤退することを表明したが、12日の議論では、国交省が引き続き、道保センターと契約を結んでいることに批判が集中した。
国交省はこの日、逃げ続けた。見逃していたことが判明した空洞については明言を避け、道保センターの非も国交省の非も認めない。のらりくらりとした対応に、仕分け人たちの怒りが爆発。仕分け人の一人は言った。
「現場にいけば、いかがわしいことだったとわかるはず。道保センターに調査させた国交省の担当者を処分してほしい。道保センターが詐欺行為をしていたのなら、当然損害賠償すべきだ」
しかし、一つのテーマについての議論の時間は約1時間だけ。議論は深まらず、結局、国交省は非を認めないままだった。
短時間で廃止などの結論を出すことについては、「乱暴ではないか」との批判も根強い。仕分け人として参加している尾立源幸参院議員はこう言う。
「長くやればいいというものでもないと思う。どの事業も要ると言えば要るし、要らないといえば要らない。限られた時間だが、これまでしてこなかった政治的決断をしていきたい」
そもそも、道保センターから見れば、この事業仕分けでどんな結論が出ようと、痛くもかゆくもないのだろう。すでに道保センターは着々と、「失地回復」を進めていた。
空洞調査からは撤退したものの、「道路情報管理」などという別項目で新規に少なくとも2億円の事業を受注しているという。発注者はやはり、国交省だ。
財務省はわずか8
事業仕分けの対象として選ばれた447事業は、全事業の15%ほどにすぎない。尾立議員によると、選定の基準は、(1)6月に民主党が行った事業仕分けで対象としたもの(2)財務省が提案したもの(3)議員や仕分け人が持ち寄ったもの。「事業は一部だが、残りの9割への波及効果が出せるよう、事業仕分けで検討した見直しのひな型をもとに、財務省には査定をしてもらう」(尾立議員)という。
ただ、今回の事業仕分けには財務省カラーが色濃く出ている。診療報酬や地方交付税など、財務省が長らく削減を望んできたものの、族議員らの抵抗にあって断念してきた項目がたくさん並んでいるからだ。
官僚に関する著作の多い新藤宗幸・千葉大教授(行政学)は、447事業のリストを見て言う。
「枝葉ばかりで幹がない印象。法律にかかわるような予算削減をするには、自民党と戦わないといけないが、そうした予算はあまり見られない」
削減対象の事業数を見ても、財務省主導は歴然。事業数は農林水産省97、文部科学省85に対し、財務省はわずか8だ。
事業仕分けで、官僚OBが天下っている独立行政法人が20以上、見直し対象に挙げられた。会場となっている「国立印刷局市ケ谷センター」は、財務省の独立行政法人。ここは、見直し対象には入らなかった。
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一部引用なら分かりますが。
池田さまには連絡させていただきました。